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「自立」とは自分で決めること

『水島広子★国会報告 No.218』を読んで
http://backno.mag2.com/reader/BackBody?id=200502120900000000056084000
次の部分(音声ブラウザで閲覧されることを想定して改行位置を変更しました)

 何と言ってもまず、根本的な問題として、障害者の「自立」とは何か、という立法に当たっての思想です。

 かつて「自立」とは「就労すること」と考えられていた時代があり、例えば歩けない人は歩けるようになることを至上目的とし、人生の大半を訓練に費やしていました。そして、「自立」できない人は、社会の片隅に追いやられてきたのです。

 しかし、国際障害者年をきっかけとして、また、ねばり強い障害者自身の運動や、ノーマライゼーションという理念が普及する中で、重い障害をもつ人たちも含めた「自立」という概念、つまり「障害の種別や程度にかかわらず、障害者自身が自分で自分の暮らし方、生き方を決めること」が確立してきました。


 その通りだろう。
 福祉の分野に興味を持っている人はこのことを知っている、と思いたいがそうではないかもしれない。今まで障害者を就労させるために頑張ってきた福祉職員たちは、この「自立」という概念の変更のせいで「今まで私たちがやってきたことは間違っていたのか?」と「抵抗」の心理が働いているだろう。だから新しい概念が耳に入ってもすぐに抜けてしまって、今まで通り、障害者を就労させようと思って頑張ってしまう。相手が就労を望んでいれば、それは正しい。しかし就労させようと思う余り無理をさせて相手を苦しめていたら、それは違うだろう。
 訓練を無理強いさせられていた障害者の気持ちに関しては、いろいろな本で述べられているかもしれないが、私が読んだ本の中では次の本に障害者の言葉が載っていたように思う。

  「障害者問題ゼミナール」(堀正嗣編著、明石書店)

 再び、水島広子さんのメルマガに戻る。

 今回の障害者自立支援法案では、精神障害者の通院公費負担制度の廃止ということ一つとっても、「制度に依存していないで自分でできることは自分で」という考えが透けて見えます。

 でも、そもそも不安を強く感じやすい精神障害者の方たちに新たな不安を植え付けることが、結果として「自立」を阻むことになるということには思い至らないのでしょうか。


 水島広子さんの仰る通りである。通院医療費公費負担制度の廃止には問題がある。
 精神障害者の通院医療費の公費負担に関する規定は精神保健福祉法(精神保健及び精神障害者福祉に関する法律)の第32条にある。

【精神保健及び精神障害者福祉に関する法律】(RONの六法全書 on LINE)
【精神保健及び精神障害者福祉に関する法律】(法令データ提供システム)
【Google 検索: 通院医療費公費負担】

 要旨は「改訂精神保健福祉法詳解」(精神保健福祉研究会監修、中央法規)に次のように書かれている。

 本条は、通院医療費の公費負担に関する規定であり、在宅精神障害者の医療の確保を容易にするために、昭和四十年改正で新設されたものである。
 精神医学の発達、向精神薬の開発、地域精神保健活動の進展等により、通院医療の重要性は著しく高まり、早期治療、早期退院、再発防止において相当の効果が期待できるようになった。このため、通院医療を積極的に進めていくことが重要であり、本制度は、それを支えるものである。


 制度を廃止して通院医療を難しくしても良いのだろうか?
 精神障害者は通院医療費公費負担制度のおかげでお金の心配をせずに気軽に病院に通えて、再発を防いでいるのではないだろうか。

 メルマガには障害の程度によってグループホームを振り分けることの問題も簡単に述べられている。

 グループホームについても、障害程度に応じて、障害の重い人は共同生活介護、中・軽度の人は共同生活援助、軽度の人は福祉ホームか居住サポート事業という新体系に概ね5年かけて移行するとしていますが、現在障害程度が異なる人たちが暮らしているグループホームの入居者は、希望しなくても、別々のホームに移動することになります。

 単に制度が変わったからと言って、慣れ親しんだ環境を離れなければならなくなるのです。

 また、加齢にともない障害が重度化したときに、慣れたホームで暮らしたいと本人が望んでも介護給付のホームに移らなければならないことになってしまいます。

 長い人生の間には一時的に障害が重くなってしまうこともあります。

 障害が変化するたびに住む場所を転々としなければならないのでは、安心して暮らすことはできません。


 水島広子さんの仰る通りだろう。
 ちゃんとユーザーの意見を聞き、ユーザーの立場に立って制度を作ってもらいたいものである。

 先日のTBS「3年B組金八先生」でもテーマになっていたが、「自立」とは自分で自分の行動を決めることだろう。自分で決めることを邪魔してはいけいない。そして、自分で自分の行動を決めたのなら、他人の力を借りて行動したとしても自立しているといえる。そもそも人は誰でも他人の力を借りて生活している。他人の力を借りたら自立していないのなら、この世に自立している人は一人もいないことになる。それは変だろう。


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